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OpenCode Go プランを評価する — 月$10 で LLM オーケストレーションの中間層は作れるか

#Harness Engineering #LLM #opencode
May 7th 2026
OpenCode Go プランを評価する — 月$10 で LLM オーケストレーションの中間層は作れるか

ChatGPT Plus が月$20、Claude Pro も月$20、Codex 利用枠が欲しければさらに上位プラン。AI コーディング系のサブスクを並行して回していると、月の固定費が知らず知らずのうちに $40〜$60 に積み上がっていく。「常用するエージェントの月額をもう一段下げたい」「ローカル LLM だけでは精度が足りない作業に、コストを抑えた中間層を当てたい」という用途で気になっていたのが、opencode.ai が出している Go プラン(初月$5、翌月以降$10/月)だった。

私自身は今、ローカル LLM + Codex CLI の2層構成で個人エージェント(Hermes Agent ベース)を回しており、ここに「中間モデル層」を追加したいという背景があった。本記事では、契約前段階で行った評価をベースに、OpenCode Go プランの料金体系・実際の使い方・中間モデル層として活かせる余地を整理する。

なお Go プランの提供モデル内訳・レート制限など、公式仕様の最新値を直接確認すべき箇所は本文中で明示している。

この記事でわかること

  • OpenCode Go プランが何を提供するサブスクか(位置づけと月額条件)
  • Go / Zen / Black / BYOK の料金プラン体系と、自分のユースケースでどれを選ぶべきか
  • opencode run を中心とした、Go プランの実際の使い方
  • 自前オーケストレーターから中間モデル層として呼ぶ発展用途の見立て
  • 契約前に押さえるべき未確認事項

OpenCode Go プランとは

opencode.ai(GitHub: sst/opencode)は OSS の TUI 型 AI コーディングエージェント。Claude Code や Aider と同種のカテゴリだが、複数の料金プランを束ねた「ハーネス」として作られているのが大きな違いになる。OpenCode 自体の利用は無料で、その上にいくつかのモデル利用プランが乗っている。

Go プランは、その中で「常用ワーカーを月額固定費で確保する」用途に振った最安プラン。

項目 内容
価格 初月 $5、翌月以降 $10/月
対象モデル 低価格・低レイテンシな OSS / 軽量モデル中心(提供内訳は公式要確認)
課金モデル 月額固定
想定ユースケース コーディング作業の大半を安いモデルで賄いたい用途

設計思想としては「コーディング作業の8割は、フロンティアモデル(Opus / GPT-5 等)でなくてもこなせる」という前提に立っている。リファクタ、テスト追加、定型的な実装、軽い設計判断あたりを安いモデルで回し、本当に重い推論が必要なときだけ別の手段(後述の Zen 従量や BYOK)にスライドさせる、というのが Go プランの基本スタンスになる。

料金プラン体系の全体像

Go プランの位置を理解するには、隣接する3つの選択肢と並べた方が早い。

プラン 課金モデル 想定モデル層 月額の予測可能性 主用途
Go 月額固定($5 → $10) 低価格・低レイテンシモデル中心 高い(上限が読める) 常用ワーカー、コスト計画を立てたい個人開発者
Zen 従量課金(per 1M token) フロンティア含む 40+ モデル横断 利用量に依存 フロンティアまで使い分けたい、可変ワークロード
Black フルアクセスサブスク Claude / GPT / Gemini フロンティア 高い(が現在新規登録停止中) フロンティア常用、定額で読みたい
BYOK プロバイダー直接課金 自分の API キーで任意モデル 自前 API 利用量に依存 サブスクなしで OpenCode のハーネスだけ使う

Zen プランの料金感

Zen は per 1M token の従量課金で、代表的な単価は以下のレンジ。

  • Claude Opus 4.7: $5入力 / $25出力(per 1M tokens)
  • GPT-5、Gemini、Qwen、GLM、Kimi など 40+ モデルを横断選択可能
  • ベータ期間中の無料モデル枠(MiniMax M2.5、Big Pickle、Nemotron 3 Super 等)あり
  • 残高 $5 を切ると自動で $20 をチャージするオートリロード
  • ワークスペース/メンバー単位の月次上限設定あり

「特定モデル(Sonnet、GPT-5 mini など)を名指しで使いたい」用途は Zen 側になる。

Black プラン

Claude / GPT / Gemini のフロンティアモデルへのフルアクセスをサブスクで提供する位置づけだが、2026-05 時点で新規登録は一時停止されている。

BYOK(Bring Your Own Key)

任意の API キー(Anthropic / OpenAI ほか)を /connect コマンドで OpenCode に持ち込める。Zen の中で他モデルと併用したり、Go / Zen を契約せずハーネスだけ使う運用も可能。

Go プランを選ぶ判断基準

ここまでを踏まえて、Go プランを第一候補にすべきケースは以下のいずれかに当てはまる場合になる。

  • 月額の予測可能性を最優先したい(Zen の従量課金で月末に請求額が振れるのが嫌)
  • 常用モデルを Go の提供モデル群で賄えると見込める(フロンティア常用が必要ない)
  • 既存の ChatGPT Plus / Claude Pro を一旦解約して、$10 のラインで体験を組み直したい

逆に、Sonnet / GPT-5 を常用モデルに据えたいなら最初から Zen 従量、フロンティア常用ならば Black(再開待ち)か BYOK での Anthropic / OpenAI 直接契約の方が筋が良い。

実際にどう使うか

OpenCode の操作系は他の TUI 型エージェントと大きくは変わらない。Go プランでの典型的な実行パターンを確認しておく。

基本: TUI で起動

opencode

これでインタラクティブな TUI が立ち上がる。Claude Code や Aider を触ったことがあれば操作感はほぼ移植可能。

Headless 実行: opencode run

スクリプトや CI、外部エージェントから呼ぶ場合は opencode run を使う。

# 一発実行
opencode run "Refactor the login logic in src/auth.ts"

# nd-JSON ストリーム + 静音モード(外部から呼ぶ用途)
opencode run --format json --quiet "..." | jq .

# モデルを明示指定
opencode run --model anthropic/claude-3-7-sonnet "Write tests for math.go"

--quiet で UI 出力を抑制、--format json で newline-delimited JSON が stdout に流れる。完了時 exit 0、エラー時は stderr + 非ゼロ exit。これは Codex CLI の codex exec と同型のインターフェースで、外部エージェントから「ワーカーとして」叩く用途を意識した設計になっている。

サーバーモード: opencode serve

長時間セッションや複数同時タスクが必要なら HTTP デーモンとして起動できる。

opencode serve --port 8080
# OpenAPI 準拠の REST API がポートで待機

OPENCODE_SERVER_PASSWORD でベーシック認証、複数セッション並列駆動も可能。Python / TypeScript どちらからでも HTTP で叩ける。

設定ファイルの階層

OpenCode は Claude Code とほぼ同じ階層の設定ファイル系を持つ。

種別 パス
グローバル設定 ~/.config/opencode/opencode.json
プロジェクト設定 <repo>/opencode.json または opencode.jsonc
プロジェクト指示 <repo>/AGENTS.md/init で生成)
グローバル指示 ~/.config/opencode/AGENTS.md
カスタム資産 <repo>/.opencode/{agents,skills,commands}/

特筆すべきは Skills フォーマットが Claude Code と互換 な点で、~/.claude/skills/ 配下の既存スキル(このリポジトリで使っている /research /publish 等)をそのまま OpenCode 側で使い回すことができる。Claude Code から OpenCode にメインハーネスを移したい場合の移行コストが小さい。

Permission / Sandbox

ツール別の allow / ask / deny をパターンマッチで設定でき、sandbox: worktree でエージェントを一時 git worktree 内に閉じ込めることもできる。

{
  "permissions": {
    "bash": {
      "git *": "allow",
      "rm *": "deny"
    }
  },
  "sandbox": "worktree"
}

Hooks

Claude Code と同等のフックポイント(PreToolUse / PostToolUse / PostCompact / SubagentStart / TaskCreated)を持つ。編集後 prettier / pytest 自動実行、危険コマンドのブロックなど、Claude Code 側で組んでいるフックは概念的にそのまま移植可能。

発展: 自前オーケストレーターから中間モデル層として呼ぶ

OpenCode Go プランを単独のコーディングエージェントとして使うだけなら、ここまでの話で十分。ただ私の関心はもう一歩先で、「ローカル LLM + フロンティアモデル」の2層構成にもう一段、中間モデル層を挟む構成での適合性にあった。

具体的には、Hermes Agent のような自前オーケストレーターを上に置き、軽量タスクはローカル LLM、中難度の標準実装は OpenCode Go の提供モデル群、複雑な設計判断はフロンティアモデル(Codex / Claude 等)にルーティングする運用イメージ。Go プランの $10/月という上限が読める価格帯は、この「中間層を月額固定費で抱える」用途と相性が良さそうに見える。

ただし、自前オーケストレーター側から OpenCode Go のモデル群へどう接続するか — API キーが提供されてプロバイダー直叩きできるのか、それとも opencode run などハーネス経由になるのか — は、エンドポイント仕様や提供形態の確認が必要。本記事執筆時点ではこの統合は未着手のため、ここでは「そういう発展構成も考えられる」という言及に留めておく。具体的な接続方式と検証結果は、実装後に別記事でまとめる予定。

導入判断の指針

ここまでをまとめると、OpenCode Go プランが向く人と向かない人は次のように切り分けられる。

向く人

  • ChatGPT Plus / Claude Pro の月$20 を払い続けるかどうか迷っている
  • ローカル LLM だけでは精度が足りないが、フロンティアモデル常用は予算的に避けたい
  • 月額の予測可能性を重視する(Zen の従量課金で月末に振れるのが嫌)
  • Claude Code から OpenCode へ移行を検討中で、Skills 資産を流用したい
  • 個人エージェントの中間モデル層として安価な選択肢を探している

向かない人

  • フロンティアモデル(Opus / GPT-5)を常用モデルに据えたい → Zen 従量 or BYOK
  • エンタープライズ要件(SLA、監査ログ、SSO 等)が必須
  • 既に Claude Pro / ChatGPT Plus で完結しており不満がない

月額試算

ざっくりした試算として:

  • Go プラン単独: $10/月(年 $120)— 常用ワーカーがすべて Go 提供モデルで足りる場合
  • Go + Zen 従量混在: $10 + 利用量に応じた変動(例: Sonnet を月1〜2M tokens 程度使うなら $5〜30 上乗せ)
  • BYOK(OpenCode ハーネスのみ利用): $0 + プロバイダー側の API 課金

ChatGPT Plus($20/月)を解約して Go プラン($10/月)に振り替えれば、月$10 が浮く計算になる。Codex を別途使いたい場合は ChatGPT Plus の維持/別の経路を確保する必要があるため、純粋な置き換えにはならない点は注意。

未確認事項と次のアクション

公開情報の調査範囲では詰め切れなかった、契約前に1次情報で押さえるべき項目。

  1. Go プランの具体的な提供モデルとレート制限: 公式 opencode.ai/go ページの最新仕様を直接確認する。本記事の「低価格 OSS モデル中心」は公開情報から推定したラベル付けで、提供モデルの内訳まで確定していない
  2. Compaction Agent の挙動: 内部要約ヒューリスティクスは変更不可(maxSteps のみ調整可能)。長セッションで Hermes 等の外部オーケストレーターと干渉する可能性は実機でのみ判定できる
  3. plan エージェントの read-only 制約: ビルトインの plan エージェントは強制 read-only。プラン → 実装の自動遷移を作る場合はカスタムエージェント定義が必要
  4. ローカル LLM との物理リソース競合: ローカル LLM を回しつつ OpenCode サブプロセス/デーモンを並走させた場合のメモリ・GPU 競合は実機で要確認

私自身の次のアクションは、Go プラン契約 → 典型タスク10〜20件で精度・レイテンシを実測 → エスカレーション判定ロジックを決めてから Hermes Agent 側に組み込む、の順で進める予定。

まとめ

  • OpenCode Go プランは月額固定(初月$5、翌月以降$10)で、低価格・低レイテンシモデル中心の常用ワーカー枠
  • Zen / Black / BYOK と組み合わせ可能で、必要に応じて従量・フロンティア・自前 API キーへスライドできる柔軟性がある
  • TUI / opencode run / opencode serve / Node.js SDK の4経路で扱え、外部エージェントから「ワーカーとして」呼びやすい設計
  • Skills が Claude Code 互換で、既存資産の流用コストが小さい
  • 自前オーケストレーターから中間モデル層として呼ぶ発展用途も視野に入るが、接続方式(API 直叩き/ハーネス経由)の確認は別途必要

ChatGPT Plus / Claude Pro の $20/月をそのまま払い続ける手前で、もう一段下の価格帯を試したい人にとって、Go プランは現実的な選択肢になる。私自身はまず PoC を回してから本契約に進む予定で、その結果はあらためて別記事で書きたい。

参考

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